The pipe rest

無駄使いの記録

麻布テーラーで仕立ててきたよ

・動機

 
秋冬物のスーツが不足しそうだったので割と人気のあるらしい「麻布テーラー」で仕立ててきた。
 
近かったので新宿East店へ。普段は「ゼルビーノ」で作っているのだが、先日仕立てたばかりなのと、折角なので新地開拓をしたかった。

 

 
・店内
 
平日の5時すぎに行ったので空いているかと思いきや店員が全員埋まるくらいには混雑しており、結構バタバタしていた。
 
オーダー受注に加えて引き渡しや電話対応などもこなさなくてはならないらしく正直忙しない。
 
店内もあまり雰囲気重視と言った感じではなく、良くあるアパレル店っぽい雰囲気。
 
対応したのは若い店員だったが、あまり接客が良いとは言えない。麻布テーラーの利用が初めてだと伝えても全く持ってリードしてこないし、頼むまでバンチブックも持ってこない。挙句の果てには断りもなく電話対応に入って暫く待たされた。帰ろうかと思ったが折角来たのだからと気を取り直して生地を選ぶ。
 
 
・生地とディティール
 
初回なので腕を見ると言う事で一番安い生地から選んだが割と種類は豊富で恐らく殆どがウール100%。チャコールグレイ、ネイビーブルーが中心でブラックがチラチラ、と言った感じ。質もそんなに悪くはなさそうだったし、ビジネススーツを作るならば特に困らないだろう。
 
数枚バンチを選んで生地を見せてくれと頼んだがどうやら生地本体はストックしていないらしい。バンチのみで判断しろと言うのも中々酷なことではないかと思うが…。
 
取り敢えず無難そうなグレイのものにしてみる。単色ながら織柄が入っていて表情豊かな生地だ。
 
型は大きくクラシコイタリアスタイルとブリティッシュスタイルに分かれているらしい。前者はクラシカルな感じで後者は若干モダンなスタイルか。あまり違いは無かったように感じる。
 
細部を決めていく。ザックリ書くとチェンジポケット、台場仕立て(オプション¥3000)、ウェストコート(襟付き2ポケット尾錠付き)、ラペル幅85mm、サイドベンツ、ワンタックパンツ、裾はダブル、当然サスペンダーオンリー使用、と言った感じ。
 
チェンジポケットがオプションでは無いのがありがたい。本切羽はオプションだったが、今のところ困ったことは無いので今回は無しにしておく。
 
それととても良かったのはウェストコートに懐中時計用のホールを開けられること。ゼルビーノでは対応してくれなかった。
 
裏地、ボタン共に有料、無料問わずに種類少なめ。この辺りに拘りたいならゼルビーノの方が種類豊富。
 
追加料金のかからない裏地は全てポリエステルなのが残念だ。個人的な好みでキュプラ裏地にしたがお値段は2500円と中々手頃かと。
 
ジャケットの胸ポケットの型やプリーツの安定加工などはオプションが存在しないのか聞かれすらしなかった。
 
それにしても店員は基本的に何も言ってこないし、ゼルビーノがスタイルやバランスに関して色々と意見をくれるのに対してこちらは特に口を出してこない。「こちらの方が良いですかね?」と此方から意見を聞いても無難な答えしか返してこないのでツマラナイ。良く広告を打っていて初心者の登竜門となり得る店なのにどうなのかと。
 
ディティールの決定はある程度の方向性とオーダーの経験がないとかなり厳しいかと思う。と言うか使用シーンすら聞いてこないとかどうなってんだろうか…。
 
 
・採寸
 
採寸に入る。先ずはトラウザースからだがクラシコモデルはかなり大き目で幅も太めなのに対し、ジェットなんちゃらモデルはかなり細めで股上も浅めの今風のデザインだった。前者は私に合うサイズが存在せず、後者でフィッティングされたが普段かなりゆったり目かつ股上深めのものを好んでいる私にはちょっとタイトすぎたので色々と注文をつける。結果的にクラシコモデルの一番小さいサイズを弄って何とか希望に近づけるらしい。うーむ、心配だ。
 
ジャケットとウェストコートはあまり問題なし。私は比較的標準的体型なのであまり問題なし。勿論多少は詰めたり出したりしたが。
 
ジャケット、ウェストコートと共に長めにしてクラシカルなデザインに。ウェストコートはオッドベストにも使えそうなサイズ感にした。
 
 
・注文終了
 
トラウザースのフィッティングに手間取ったが一応これで終了。基本料金37000円+ウェストコート13000円+オプション料金で大体6万といったところ。スリーピースがこの値段なら比較的コストパフォーマンスは良いのではないだろうか。
 
やたらと混んでいたので納期ははるか先かと思いきや10月頭には出来上がるらしい。流石大手チェーンだけあって工場の規模も大きいのだろう。
 
 
・まとめ
 
取り敢えず注文をして思ったこととしては
 
ゼルビーノに対して優位性はほぼ無し」
 
と言った所か。
 
吊るしてあったサンプルを見る限りスタイルは決して嫌いではないが、ドンピシャな店が既にある以上、仮に今回の出来が良かったとしても恐らくあと数万出してゼルビーノで仕立てると思う。
 
そもそもイージーやパターンであるとは言えオーダーメイドの楽しみは店員と相談をしながらディティールを詰めていくことにあると思う。今回の接客を見る限りそう言った店員と客のコミュニケーションは少なく、スタバでカスタムメニューを注文しているのと大して変わらないように思う(スタバ入った事ないけれど)。
 
加えて裏地やボタンと言った遊び心を入れられるオプションの少なさは痛い。生地数もあまり豊富ではなかったしゼルビーノの方が作れるスーツのパターン数は格段に上だろう。バンチのみで生地を実際に体にかけて吟味できない、と言うのも大きなマイナスポイントだ。
 
価格については優位に立っていると思うが、ゼルビーノでもスタンダードラインが4万ちょっとから作れるし、スリーピースにしても値段は1万円も変わらないのではないかと思う(ゼルビーノはウェストコートが18000円と若干高め)。
 
ただ、ゼルビーノはオプション数が多く、細かく拘ると値段が跳ね上がってしまうのだが(前回オーダーしたツイードのスリーピースは過去最高額に…)。
 
ゼルビーノとの比較に終始してしまったが結論としては
 
「今回のスーツの出来が良ければ今後セールなどで(あるかどうか知らんが)最安価なプランで吊るしの変わりに買うかもしれない亅
 
と言った感じ。正直あまり良い印象は受けなかった。
 
安価にイージーオーダーを考えている人がいたら花菱の方が良いと思う。着潰し前提ならそんなに悪くなかったし。ブリティッシュスタイルでも良ければ、だが。